新しい傷の治療について
「傷はがんがん消毒して乾かせ」僕が新人の頃は、こんな風に習った記憶があります。
しかしながら、今の創傷治療(きずの治療)はこの逆です。
「消毒しない」と「乾かさない」ことが傷の治癒を早めてくれるのです。
傷の湿潤を保つことで、本来体が持つ自己治癒能力を補助することができます。
新しい傷の治療法とは、
傷があることで失われてしまった皮膚の役割をするバリア(ドレッシング材)を装着し、傷を生体内の環境にする療法のことです。
実際の症例
ネコの外傷です。
ケンカで皮膚がちぎれて、親指の頭くらいの傷ができてしまいました。
傷の周囲の毛を刈って、消毒剤を使用せず、水道水で洗浄したあとの写真です。
この後、皮膚に縫合を施し、ドレッシング材を用いて傷を湿潤環境におきました。
処置3日後の傷の様子です。
乾燥させないで湿潤環境を保ったために、傷の上にカサブタはありません。
皮膚の血行状態もよく、周囲の皮膚とほぼ同じ程度です。
再度、ドレッシング材を用いて、傷の保護を行いました。
消毒剤は使用していません。
このように、傷を乾燥させずに治療すると治癒が早くキレイに治っていきます。
当院では手術を行う際、
血液検査、胸部X線検査を行い、
術前にリスク評価を行っています。
東大和獣医科病院
東京都東大和市奈良橋4−560−9
電話 042−566−0886
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