陰睾（停留精巣）について
男の子の精巣（睾丸）が陰のうの中に降りてこない先天的な異常です。
おおよそ、2か月を過ぎても精巣が陰のうの中にない場合、
陰睾（停留精巣）である可能性が高いです。
片方だけの場合と、両方のいずれもおこりうるのですが、
片方だけの場合が一般的です。
陰睾をそのままにしておくと、腫瘍化（セミノーマやセルトリ細胞腫などのがんになること）を起こしやすいと言われています。
陰睾をみつけたら、手術をおすすめします。
ケース１
犬の右片側陰睾（右停留精巣）
片側の精巣が異常な位置にあります。
この写真では、ペニスの左横の皮膚の下にあります。
指でつまんでいるのが正常な位置の精巣です。
精巣が両方異常な位置にある場合もあります。
ペニスの左横に盛り上がっているのが、陰睾です。
ここを見ただけではよくわからないと思いますので、
陰のうを触診して、2個あるか確認をすることが大切です。
異常な位置の精巣がここにあります。
この子は、皮膚の下に精巣があったのですが、
場合によっては、お腹の中にあることもあります。
今、つまんでいる場所を切開して、異常な位置にある精巣を摘出します。
ケース２
犬の停留精巣（腫瘍化したもの）
高齢の未去勢オス犬です。
犬の左側停留精巣（手で掴んでいる方）が腫瘍化して大きくなっています。
停留精巣を放置しておくと、
通常の位置にある精巣より、
何倍も高い確率で腫瘍化してしまうことがわかっています。
精巣腫瘍の中には、
非常に重篤な貧血を起こす腫瘍があり、
発見した時点で手遅れなケースがあります。
そうならないように、
早期の去勢手術を勧めています。
東大和獣医科病院
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