犬の乳腺腫瘍について

犬の乳腺腫瘍は雌犬でもっとも多く発生する腫瘍です。

良性腫瘍と悪性腫瘍があり、おおよそ悪性腫瘍の比率は50%といわれています。

また、老齢であるほど悪性で、発生率が高くなるともいわれています。

早期の卵巣子宮摘出術(避妊手術)には乳腺腫瘍の予防効果があります。

初回発情(初めての生理)以前に卵巣子宮摘出術を行った場合、乳腺腫瘍の発生率は0.05%といわれています。


東大和獣医科病院犬の乳腺腫瘍写真1ケース1 


この犬では、1つの大きなしこりと、小さな複数のしこりが塊状になっています。

このしこりは数年前から徐々に大きくなってきたとのことでした。
































東大和獣医科病院犬の乳腺腫瘍写真2ケース2


この犬では、右第4乳腺と左第5乳腺にしこりができています。

数か月前に見つけて、だんだん大きくなってきたということで当院を受診されました。























東大和獣医科病院犬の乳腺腫瘍写真3ケース3


乳腺腫瘍の術後の写真です。

この犬は、左乳腺片側切除と右第3〜5乳腺切除を同時に行いました。


悪性腫瘍を疑う場合、腫瘍細胞をできるだけ取りきれるように、

広範囲に切除を行います。











犬の乳腺腫瘍で重要なのは、

腫瘍の大きさ、性状、転移の有無だと言われています。

特に腫瘍の大きさが3センチを超えるものは予後が悪いと報告されています。

乳がん治療は早期発見、早期治療が重要です。

体を触って気になるしこりを見つけたら、早めに検診を受けることをお勧めします。



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