犬と猫の不妊手術について
男の子は去勢手術
女の子は避妊手術
早期に施術することによって、様々な病気の予防になります。
当院では、比較的早期(4〜5か月齢)の施術をすすめています。
当院では不妊手術を行う際、
全頭において血液検査、胸部X線検査を行い、
術前にリスク評価を行っています。
犬と猫の去勢手術(男の子の場合)
わんちゃん、ねこちゃんともに、精巣を摘出する手術を行います。
麻酔は、静脈内麻酔後に気管挿管を行い、安全性の高い吸入麻酔を使います。
血管を確保し、術中には静脈内点滴をして血圧の管理を行っています。
血管の結さつや皮下組織の縫合には、溶けてしまう糸を使用するため、数か月後には体の中には何も残りません。
体に優しい手術を目指しています。
日帰りの手術です。
早期施術により、精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニアの予防ができます。
また陰睾(停留精巣)がある場合も、去勢手術をするべきです。
実際の犬の去勢手術の様子です。
手術を行うために、まずは毛を刈ります。
術野の清潔を保つため、このくらいの範囲で毛を刈ります。
精巣を摘出しているところです。
血管の止血のために、二重に結さつをしています。
また、血管を縛る糸は、体の中で溶けてしまう糸を使用しています。
術中はしっかりと止血処置をしているため、出血は最小限度です。
精巣を2個摘出したところです。
切開は最小限です。
このあと、真皮、皮膚の順で縫合をしていきます。
皮膚の縫合が終了したところです。
黒い糸は後から抜糸をします。
通常一週間くらいで抜糸ができます。
常にからだにやさしい、最低限の手術侵襲を心がけています。
次は、実際の猫の去勢手術の写真です。
犬とは生殖器の構造が違いますね。
手術野の清潔を保つため、このくらいの範囲で毛を刈ります。
ここを消毒して、ドレープ(手術用の布)をかけていきます。
陰のうの中央を切開して、精巣を摘出しているところです。
切開を陰のうにしているところが犬との違いです。
安全性を高めるため、
猫の去勢手術も血管を二重に縛ります。
もちろん、溶けてしまう糸を使用しています。
手術直後の写真です。
切開を陰のうにしているため、傷が収縮しています。
実際1pくらいになってしまうので、縫合の必要はありません。
術後1週間後に経過を観察させていただいて終了となります。
犬と猫の避妊手術(女の子の場合)
わんちゃん、ねこちゃんともに、卵巣と子宮を摘出する手術を行います。
麻酔は、静脈内麻酔後に気管挿管を行い、安全性の高い吸入麻酔を使います。
血管を確保し、術中には静脈内点滴をして血圧の管理を行っています。
血管の結さつや腹筋と皮下組織の縫合には、溶けてしまう糸を使用するため、数か月後には体の中には何も残りません。
体に優しい手術を目指しています。
手術当日は入院にて管理を行い、翌日退院となります。
早期施術により、子宮蓄膿症の予防、乳がんの発症リスクの低下が見込めます。
実際の猫の避妊手術の写真です。
猫があおむけに寝ています。
(写真の上が頭で、下がしっぽ方向になります。)
去勢手術と違い、お腹を開ける手術になります。
お腹を開ける手術なので、術野を清潔に保つために、より広い範囲で毛を刈ります。
おへそと恥骨の間を切開します。
術布をかけて、皮膚切開を行ったところです。
止血処置を行いながらなので、出血は最小限です。
切開をすすめて、子宮と卵巣を摘出しているところです。
指の中にある白い組織が卵巣です。
左右の卵巣と子宮を体からはずして、
最後に子宮を切除するところです。
人を異なり、子宮はY字型をしています。
体の中に残す糸は、溶けてしまう糸を使用しています。
腹壁を閉鎖しているところです。
腹筋の筋膜を縫っているため、
腹筋を含めて縫合する場合に比べて、痛みは最小限です。
もちろん、腹壁閉鎖に使用している糸も溶けてしまう糸です。
真皮を縫合したところです。
腹壁を縫合している糸よりも細い糸を使用し、
より美しくより体に優しい手術を目指しています。
もちろん、溶けてしまう糸を使用しています。
皮膚の縫合が終了したところです。
皮膚はわざとルーズに縫合し、
血行を阻害しないようにしています。
この糸は、約一週間で抜糸します。
これで、避妊手術は終了です。
東大和獣医科病院では、
手術の際に、痛みの少ない手術をするために
より低侵襲の術式を選択し、薬剤によるペインコントロールを行っています。
避妊手術と去勢手術はとても大切な手術の一つです。
施術の際は、値段だけの比較をしないで、
手術のクオリティーにもこだわって検討していただきたいと思います。
東大和獣医科病院
東京都東大和市奈良橋4−560−9
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